「憧れの人」
わたしには憧れの人がいる。
夢を抱いて、ひとり、大海に臨んだ小さな勇者。
いつでもわたしより、ほんの少し前を歩いていて、
ときどき振り返っては、優しく微笑んでくれた人。
自分を信じて、
チカラの限りに精一杯生きている姿は、
いつもキラキラ輝いていて、
わたしには眩しい存在だ。
あの人のようになりたくて、
同じしぐさ、同じ趣味、同じ理想…。
笑ってほしくて、
手を差し伸べてほしくて、
無理して大人びた格好で、あなたの言葉を待ってみたり。
背伸びをしてでもあなたに近づこうとした。
でもどうしてもあと一歩が届かない。
やっと肩を並べたと思ったのに、
あなたは魔法のようにずっと先を歩いている。
だからまたわたしは駆け足をする。
そんなことの繰り返し。
決して縮まることのない距離を、
けれど、そうとは決して認めずに追いかけている。
そのうち、
わたしはわたし自身がどんな形をしていたのか、
きっとわからなくなるだろう。
それでいい。
あなたになれるのならば、
わたしはわたしでなくてもいい。
だってあなたはわたしの憧れ。
憧れを見失わないように、今日もあなたを待っている。
みちたずねたずねたずねてたどりつく そこにあるのか愛と真実